神社の御神宝「水の玉」「火の玉」
山梨県、甲府で玉依姫を祀る神社があり、この神社のご神宝に「水の玉」「火の玉」といわれる水晶玉があります。このご神宝は江戸時代中期につくられた水晶玉。
かつては、さらにふたつ、直径１８ｃｍと１７ｃｍの大きな銘玉があり、当時の日本にとって水晶玉は世界に誇る工芸品でした。日本の国石は真珠だと思っている人が多いようですが、日本の国石は「水晶」です。
このふたつの水晶玉を明治6年にオーストリアで開催されたウィーン万国博に日本政府の名前で出品しました。大きな水晶はフランス人に売られ、もう一つの水晶は日本に送り返される途中、船が沈没して海に沈んでいきました。後で沈んでしまった船から水晶は引き上げられました。
その話を聞いた明治天皇がどうしてもと所望されましたので、引き上げられた直径１７ｃｍの水晶玉は明治天皇に献納されたといわれています。（参考文献水晶の神秘より）
時代は変わっても、献納された水晶玉は、国の宝として大切にされていることでしょう。